ブランド、理不尽な差別。

 
世の中には不思議なことがあります。
同じ品質であるのに、一方は高い価格設定ができ、
もう一方は、低価格でも売れないということが起きます。

そこに、ブランドの不思議な力が発揮されています。
こうした話は、私のご依頼社の実話です。

実は、誰でも知るブランドでも、意外なことが起きています。

ペプシは、コカコーラより、
味がいいのに、
ナンバー2です。

日本での大型バイク市場は、
日本車に性能で劣る、ハーレー・ダヴィットソンが、
ナンバー1です。

みごとな理不尽な差別です。

1975年、ペプシの目隠しキャンペーンによって暴かれた、味の差でしたが、
支持されたのは、コカコーラです。当時、コカコーラは迷走し、
味を改良したニューコークという商品に全面入れ換えをしましたが、
消費者からの反発を受け、旧コーラ復活のための署名運動まで起きたといいます。
現実的に考えれば不思議ですが、味よりも強い、
心が感じる美味しさ(心理的価値)があったわけです。

ハーレー・ダヴィットソンのワイルドなダンディズム、
そのエンジンの鼓動音、そのエンジン独自のV型デザイン、
そして、そのバイクのスタイリングに書き込まれているメモリアルなストーリー、
それらは,ライダー(所有者)に、誇りと自信をあたえるといいます。
この高額商品は、性能ではないもので、圧倒的な強さと魅力を発見しています。
それは、米本国での80年代、低価格と高性能の日本車の攻勢によって、
陥った窮地からも救っています。

事例がちょっと極端かもしれませんが、しかし、ひるがえって考えれば、
私たちが、美味しさを味わうのは「心」です。舌ではありません。
私たちが、味わう感動も「心」なしでは考えられません。
私たちの生活も、私たちの人生も「心」に響くものによってしか、
輝かせることができません。

商品、サービスが、売れていく真の原因は、高品質・高性能とは、
違う次元へ移っています。高品質・高性能が十分条件では無くなった、
それが主流となるのが現在の成熟社会の特徴です。

それは、「ハートフルな美的価値」の時代です。

ゆえに、従来の考え方からいえば、
本末転倒、モノゴトの価値が逆転している状態に見えてしまいます。
しかし、それは「本来のあるべき姿」ともいえます。

では、その「本来のあるべき姿」とは、どんなものでしょうか?
どんな構造(目的と手段)をもっているのでしょうか?
どんな次元に存在しているのでしょうか?
あなたは知っていますか?

つづく・・・・・・・


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