ロゴマーク 意味【EAPサービス】

 
Visual Identityにおけるロゴマーク・デザインの事例です。
会社のロゴマークではなく、コミュニケーション・シンボルと呼ばれるものです。

日本社会は、平成10年以降、自殺者が毎年3万人を超えています。
そして、近年、心の健康問題を有する労働者は2%以上、ストレスを感じる労働者は、
6割を越えています。そうしたなかで、EAPサービスを導入する企業が増えています。
株式会社フジEAPセンターは、東海地区で、このEAPサービスを提供する会社です。

EAPとは、Employee Assistance Programの略で、
従業員支援プログラムと訳される、企業・団体向けのカウンセリングサービスです。
EAPの目的は、仕事の生産性の向上です。ごく早期にうつ病などによる
生産性の低下に対応できることが注目されていますが、モチベーションを向上させる
コーチングやキャリアカウンセリングなど支援する範囲は、仕事の生産性に、
影響をあたえるあらゆる問題であり、広い守備範囲があります。

しかし、導入企業の社内では、うつ病という深刻な問題に焦点がいき、
EAPカウンセリング=治療」というメンタルヘルスの根強い支配的な
解釈がうまれています。ゆえにEAPの実体(目的)が誤解され敬遠されています。
そのために、EAPサービスの利用率向上のために、この解釈を書き変え、
本来の真の価値(目的)を発見させるため.フジEAPセンターからの依頼によって
コミュニケーション・シンボルをデザインしています。

EAPの定義は、企業のCS(顧客満足)を実現するための
ES(従業員満足)を重視する、仕事の生産性の向上が目的になっており、
企業にとって導入されやすい優れた解釈が設定されています。
さらに、エクセレントカンパニー(超優良会社)に不可欠なプログラムとも
解釈されています。

それに、ふさわしい美的刺激としてのシンボルのビジュアル化を行ないました。

多くのビジネスは、現代社会の背景にある根本的な問題と関係(呼応)しています。
EAPサービスも同様であり、視野を広げて対象療法的な問題解決(手段)ではなく、
隠れている本質的な問題解決である「目的」を描ければば、深い洞察となり、
解釈(評価)のされ方、理解のされ方が、大きく違ってきます。

ゆえに、このEAPサービスのコミュニケーション・シンボルの解釈(創見)は、
「生きる力をうみだすエンジン(心)を創る」です。

このシンボルの造形は、可能性を意味する「∞」から広がる輪で、
行動をうみだす「心臓」と「脳」のダブル・イメージとして表現しています。
つまり、人々が行動をうみだすのは、「エンジン(engine)」としての
動力源「心臓(ハート)」と「脳(マインド)」の無形の力によるものだからです。

それが、EAPにとって、根強い誤解である「精神疾患の治療」を覆す解釈です。

特に「engine」という言葉の定義は、「持って生まれた才能、天才」という
ラテン語源からきており、英語ではさらに「新しい物を生み出す才能」という意味で
用いられています。この意味内容によって「EAP」の真意(目的)を示しました。

また、ビジネスピットインというテーマを、フジEAPセンター社よりいただいており、
周回するコースもイメージしています。線上に沿って外から移動することで、
内なる「∞」を発見する、現状の振り返りが、今後に生かす
精神的エネルギー補給になり、今後の行動指針・可能性を引きだしていくことを
示しています。定期的にEAPの利用の必要性(循環する考え方の浄化)も示めしつつ。
ピットインの役割りとしても表現し、EAPの示しづらい必要性も表現しました。

その造形、カタチからの即感印象は内発する躍動と成長(∞)を表現しています。
それは、モチーフのハート(心臓)のラインで、行動へと人を向かわせる栄養を
含む血液や、息吹(新鮮な酸素としての気持ち)を、循環させることも描いています。

何が本当に素敵なのか、何が本当に大切なのか、
その真意(目的)を、解釈させることで、混乱していたものが、整理され、
誤解されている支配的な解釈を書き変えることができます。
さらに、視覚の「美」を利用することで、誤解から魅力を失っているものを
蘇生させ輝かせます。美は、物事の解釈を書き変える刺激であり、
変化の起点・始点になってくれます。

つづく(別事例です)・・・・・・・


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