VIデザイン=「目的の創造性→Vision(創見)」

 
デザインというものは、謎が深いです。
とくにビジュアル・アイデンティティというデザインは理解しづらい・・・。
そのデザインの核になっている、コミュニケーションとは、そもそも何だろう・・・。

そう考える中で、私は、その根本的な性質(力)に、気付きました。

コミュニケーションというのは、
伝えることより、その本質にあるのは『解釈』だ、ということです。
そして、その「解釈」は「本質的な変化(覚醒)をもたらす」ものです。

それが、私のいう「解釈の創造性」です。

コミュニケーションの専門家の本には、人は伝え方ばかりに関心を持つが、
自分に目覚め、理解してもらいたい自分、相手に伝えたい中身を成長させる
プロセスも、コミュニケーションである、と書かれています。

つまり、本来、コミュニケーションには、
「自分で自分を創造する(解釈の)力がある」ということです。
こうした経験が、ほとんどの方々にあるのに自覚されていないことが残念です。

自分自身の「解釈」や、自分自身が置かれている現実の「解釈」を変化させ、
自己や、他者に、その解釈を、自覚することや、伝えること、浸透させることで
「創造的な変化」がもたらされることを、ビジネスを中心に、
様々な事例・出来事で伝えてきました。

とくに、ドラえもんの声優の大山のぶ代さんの話は
誰にでも経験があると思います。(その話の内容はこちらの中ほどにあります)
あの人のあの一言で自分の人生が変わったというようなストリーです。

つまり、コミュニケーションには、伝える以上の力が存在しています。



ゆえに「ビジュアル・アイデンティティ」という
組織の創造的変化を産みだすクリエイティブ・ワークとしての
コミュニケーションデザインが成立するのだと思います。

ビジュアル・アイデンティティアイデンティティとは
自己解釈のことです。ゆえに「解釈の創造性」が働きます。
そして、その正体は「目的の創造性」といえます。

iPod」対「ウォークマン」の新旧対決の構図のように、
これまでの技術や品質中心の考え方(解釈)に気付き、
人々のより豊かな生活 と、より良い人生を実現する、という
ビジネスの「真の目的」を発見(解釈)することは、
会社の成長・発展のために「創造的な変化」の起点となります。
(iPodとウォークマンの話はこちらです)

ビジネスの「真の目的」は、最近の硬軟ふくめた経営書のなかでも、
よく取り上げられているテーマです。なかでも、2009年に出版された
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が、
200万部のヒットになり、ドッラカーの著書「マネージメント」が注目されました。
特に「企業の目的と使命の定義」が、注目されておりますので、
経営学の巨人、ドラッカーのその文章を掲げます。

  企業の目的と使命を定義するとき、出発点は1つしかない。
  顧客である。顧客によって事業は定義される。
  事業は、社名や定款や設立趣意書によってではなく、
  顧客が財やサービスを購入することにより
  満足させようとする欲求によって定義される。
  顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。
  したがって「われわれの事業は何か」との問いは、
  企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて答えることができる。

ドラッカーの著書には、「企業の目的と使命の定義」を見つけることで、
業績を回復した企業が紹介されています。それは自己解釈の創造性といって
いいかもしれません。もし、あなたの会社に、ドラッガーがいう
「企業の目的と使命の定義」があるのなら、その定義(解釈)で、
魅力的な感銘をうむ美的刺激としてのロゴマーク・デザインを
提供することもできます。

それが「創見(Vision)のデザイン」です。
(その内容はリンクページの中ほどのアップル・ロゴマークの説明にあります)

人に何かを伝えるときに、ものをいうのは「深い洞察」です。
なぜなら「感銘」を産みだすからです。

それが、”伝えるアイデア”、「刺激→洞察→感銘」という仕掛けです。
「創見」という独創的な見解(従来にない新しい意見)の正体は、
深い洞察から、感銘を産みださせるための「刺激」です。

ここでの深い洞察は、ドラッカーがいう「企業の目的と使命の定義」に
あたります。それはいいかえれば、目的のもつ創造性です。

しかし、「深い洞察」だけでは人々に魅力的には伝わりません。
そこへ前述したように「刺激」を加えることで、
心揺さぶるドラマチックなものになってくれます。

それは「一杯の水も料理である」や「GNH(国民総幸福量)」でも説明しました。
しかし、そこにある洞察は、誰でも知っているものですが、
「水も料理」であるとか、GNPならぬ「GNH」があることで、
人をハッとさせます。ゆえに、確かな「洞察」を「感銘」とするには
「刺激」が必要なのです。(その話の内容はこちらです)
そうした「刺激」が、目を引きつける「視覚的な美的刺激」となって
人々を魅了したら素敵なものになります。経営上の優れた武器、
コミュニケーション・ツールになります。

それらを、アップルのロゴマークは実現しています。

スティーブ・ジョブズは、こういっています。
自分が興味があるのはコンピューターを作ることではない。
自分が好きなのは、ふつうの人たちが潜在的なクリエイティビティー
開花させられるような道具をつくることなんだ。

これは、ドラッカーのいうの「企業の目的と使命の定義」です。

では、マイクロソフトの企業使命です。
世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を
最大限に引き出すための支援をすること。
これは、マイクロソフトのウェブサイトに明記されているものです。

二つとも同じです。

しかし、この宿命的なライバルの存在感(解釈内容)はまるで違っています。
つまり、「洞察」だけでは、差異を産みださいことが分かります。

「齧られた林檎」というロゴマークがあってこそ、
アップルが、特別な存在として、私たちの心に迫ってきます。
「齧られた林檎」という気の効いたアイデアを、
「支配からの開放」という刺激として解釈させたことで、より深い洞察となり、
ドラマチックな感銘(感動)を人々に感じさせるコンセプト、
目的の創造性になっているからです。

アップルのロゴマーク「齧られた林檎」が、はじめから意図されてつくられはいません。
ペン画のニュートンの林檎から始って、bite(齧る)とデータ単位のbyteをかけて
「齧られた林檎」になっています。

しかし、アップルの「齧られた林檎」は「支配からの開放」という
劇的な解釈(刺激)を、テレビCM「1984」の制作者である
広告会社シャイアット・デイのリー・クロウに、上書きされ、
アップルの存在感(アイデンティティ)は一変しました。
これは、すばらしいクリエイティブ・ワーク(創造的変化)です。

しかし、このような(創見の)ロゴマークを、
「ただロゴマークを見ただけでは分からない」として、意味が無いと
判断する人もいます。しかし、昔とは違い今は誰でもがウェブを通して
情報を発信できるようになっています。いや、正確にいえば、
現代の会社は、ウェブサイト、ブログ、SNSフェイスブック等)を通して、
自らの情報を発信(主張)しなければならない状況と考えるほうが正しいはずです。

ゆえに、自社ウェブサイトでも、自らのアイデンティティ
(あるいはブランド・ストーリー)を語る会社が主流になっています。
それは、会社の規模の大小を問いません。

上で取り上げたマイクロソフトの企業使命もそのひとつです。
こうした流れを産むのは、あなたの会社のウェブサイトを、
あなたの顧客が、あなたの取引先が、あなたの会社に興味がある人々が、
法人が、見ないわけがないからです。

それらウェブサイト、ブログ、SNSは、
会社のブランディング・ツールでもあるといわれています。

私が手掛けた会社でも、自らのアイデンティティを自社ウェブサイト上で
明文化されているところもあります。それは、ブランド・ストーリーのように、
あなたの会社を特別な存在として、顧客や取引先に魅力的に語ってくれます。

こうした高度な表現内容をもつロゴマークをデザインしています。

そこに「解釈の創造性」「目的の創造性」「創見」があります。
それらは、経営者の望む会社に創造的な変化を産みだす
クリテイティブワークの本質的要素です。

つづく・・・・・・・


興味のある方は、こちらへどうぞ。
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by Axle


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このブログで書いているデザインの説明は、私、独自の考えです。
解釈の創造性」「目的の創造性」「創見(Vision)」という言葉も
デザインの世界では普通には使われていない言葉です。
「解釈の創造性」は哲学の言葉としてあるようです。
「創見」は言葉として国語辞典に出ています。

こうした考え方は、長い時間をかけて、
ビジュアル・アイデンティティ(略称はVI)のデザイナーとしてできる
「最高の仕事とは何か」を追求してきた結果です。

一般的なデザイン、デザイナーの考え方では、ありませんのでご注意ください。
  

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