会社の発達障害?、会社がもつ目的の創造性(コンセプトの働き)

 
近年、多くの人々から話題になったものに、
子どもからの「なぜ、勉強しないといけないの?」に、
どう答えるのかが注目されました。
「勉強という『手段の目的』は何か?」に、
私たちは問い詰められてしまいます。この子どもの問いに、
多くの大人が、まともに答えることができません。

真剣に考えれば考えるほど思案に暮れますが、
この「勉強」を「仕事」におきかえて、自らの仕事、
ビジネスの目的を考える時、この子どもたちと同じような状態に、
私たちが陥っていることに気付きます。

あなたの仕事、ビジネスの「目的」は何ですか?
あなたの経営する会社の「目的」は何ですか?

それは「儲ける」ことだ、と答えることもできます。
しかし、その「儲ける」ことさえも、「目的の定義」は、力を発揮します。

例えば、現在、旅客鉄道が衰退したアメリカで、
高速鉄道計画が話題になっていますが、面白いのは、
アメリカの鉄道事業が衰退したのは、
旅客と貨物輸送の需要が増え続けている中で起こったことです。

アメリカの鉄道会社の凋落の原因は、自社の事業の目的を「輸送」ではなく、
「鉄道」を目的と考えために、顧客を、自動車、トラック、航空機などへ、
奪われたのではなく、追いやってしまった結果だったといいます。

何を事業の「目的」とするのかは、
その会社の「可能性」と「限界」を展開させます。

鉄道王小林一三(1873-1957)は、
鉄道をまったく違う「解釈」の発見をして、あの阪急グループを創設しています。

彼の鉄道事業の解釈は、「乗客は電車が創造する」というものです。
鉄道を起点として様々な事業を創造し、
現在の私鉄経営モデルの原型を独創しています。

明治43(1909)年、すでに国鉄(JRの前身・日本国有鉄道)が走っている区間
重なってしまう現在の宝塚線での鉄道事業は、無謀な計画といわれました。
さらに、沿線には農地ばかりでしたが、
小林は「乗客がいなければ乗客を作り出せばよい」と、
宅地を開発し、乗客づくりをして日本初の電車通勤がうまれています。

そして、終点・箕面(みのお)駅に動物園を、もう1つの終点・宝塚駅
宝塚歌劇団の前身・宝塚唱歌隊、次に世界初の駅ビル百貨店
ターミナルデパート)をつくり、新たな文化、ライフスタイルの提案とも
いわれ、国鉄に対抗した乗客づくりは大成功を収めます。

同じ鉄道事業でありながら、考え方(目的意識)の違いによって
その会社の「可能性」と「限界」が、展開され、形となって現実化してきます。

前者は、「手段」に、殺され、その事業を失っています。
後者は、「手段」を、生かし、その事業の可能性を大きく展開しました。

会社は、経営者が与える「解釈(目的=事業の要約)」に従います。

私たちは、今、IT、グローバリズム、エコ社会、デフレーションにゆれる、
激変の時代に生きています。ゆえに、近い将来、あなたの商品が、あなたの仕事が、
あなたの会社の市場そのものが、無くなってしまうことも
ありえないことではありません。過酷な競争社会で成長・発展するために、
新しいステージに、私たちは、レベルアップせざるをえません。

経営者としてあなたは、激変の時代に、しっかり呼応していますか?

つづく・・・・・・・


by Axle
  

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