伝えるアイデア =「刺激 → 洞察 → 感銘」

人々に価値を発見(解釈)させたい場合すべてに適応できる仕掛けがあります。
それが、伝えるアイデア=「刺激」→「洞察」→「感銘」です。

私たちの目は、ありきたりなもの、変化の無いものには、
視線を止めないといいます。それは、目に映るもの、
すべてを認識するだけの情報処理能力がなく、
私たちがしっかり見ているのは全体のわずか10%程度でしかないからです。

だからこそ、なにか、感じさせるものがなければ、
人の心のなかには入ってはいけません。

ゆえに、まずは、見落とされないこと。
興味をもたれること、腑に落ちること、そして、想い起こせるほどに
心に残ることです。こうした一連の認知の流れがロゴマークには必要です。
それが、「刺激」→「洞察」→「感銘」です。

例えば、ロゴマーク(デザイン)ではありませんが、
説明しやすく分かりやすい例として
少しまえに話題になった「一杯の水も料理である」や、
今、話題となっている「GNH(国民総幸福量)」を取り上げてみます。

この「一杯の水も料理である」と、「GNH(国民総幸福量)」は、
私たちの心に焼き付くような、優れた「刺激」と「洞察」「感銘」を
もたらす“伝えるアイデア”が効いている好例です。

ご存知の方も多いと思いますが、「一杯の水も料理である」は、
韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」で話題になったものです。
正確には、「たとえ、水でも、器に盛られた瞬間から料理になること。
そして、料理をつくる時は、食べる人への配慮が一番だということ。」という
セリフからきています。

「料理をつくる時は、食べる人への配慮が一番」という「洞察」は、
誰でも知っていることですが、「たとえ、水でも」が、意外性に富み、
そこまで徹底するのかという料理に対する姿勢に
「感銘」を産みだしています。「感銘」とは、心に深く刻みつく感動のことです。

「GNH」は、世界から注目を集めているブータン王国が主張しているものです。
それは、「Gross National Happiness」の略で、
GDP」、つまり、国内総生産「Gross Domestic Product」に対する、
独自の造語として、「国民総幸福量」を掲げ、
経済発展より、国民の幸せにつながる政策(姿勢)を示すものです。

「GNH」の「洞察」は、「物の豊さではなく心の豊さ」です。
それは、誰でも知っていることですが、現実には国の経済を測る単位
「GNP」に振りまわれている先進国に、幸せを測る単位「GNH」を、
政策指標として、突きつけた対比が「刺激」になっています。

97%の国民が幸せだと答える、豊かではないが敬虔な仏教国という事実を
担保とした、この「刺激」、「GNH(国民総幸福量)」は、
「何が本当の幸せなのか」を意識させ、先進国に住む私たちのあり方、
価値観を、見事に揺さぶり、「感銘」を産みだしています。

「GNH」は、1976年、第四代ジグミ シンゲ ワンチョク国王の政策です。
真摯に考えられ、継承されている指標であり、
2011年、国連ミレニアム開発目標サミットにおいて「GNH」は、
国連の新たな目標として68カ国の支持を得て採択され、
国際的な高い評価をあげています。

こうした伝えるアイデアを、巧みに使えば、
アップルのロゴマークの「齧られた林檎」ように、
競業他社とは「違う次元」に、あなたの会社を存在(解釈)させることができます。

すぐれたシンボルとして世界に知られているキリスト教の「十字架」も、
「刺激」→「洞察」→「感銘」という”伝えるアイデア”が存在しており、
独自の「特長」があります。

残忍な処刑・苦痛、そして、恥辱と嫌悪のしるし、磷付の十字架が、
ネガティブな「刺激」として使われ、さらに人類が犯した罪を、
我が身をもって償い救いをもたらしたという
キリストの偉大な功績というポジティブな「解釈」も重ねて表現されており、
「恥辱」と「崇高」というネガティブとポジティブの落差が「刺激」となり、
劇的な「感銘」があります。

江戸時代の「絵踏み」などを想い出すとき、そこにキリスト教がもつ
行動への強い動因が、十字架というシンボルの中にしっかり息づいていることに
気づきます。自らの命をもって我々の罪を我々に代わってあがなわれた主に対して、
自らの命をもって帰依する行為には、純粋な流れ、自ずと連想させる力があり、
人に行動を働きかける力が宿っていると言えます。

核心にある「目的意識」を抽出されることによって、
「行動への動機」、「動因となりえる解釈」がうまれるようになっています。

こうしたものを「コンセプト」といいます。
コンセプトは、「アイデア」や「共感」を産みだし、
組織を動かすメカニズム(仕掛け)になります。

では、その組織を動かすメカニズムを、
どのように仕掛けるのかを、VIデザイン=解釈の創造性このページで、説明します。


by Axle


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